「シークエンス 第1巻」
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フルートを習いはじめると間もなく、私たちはスケールやアルペジオを練習するようにと言われます。上手になってくると、エチュードが加わります。残念ながらこれは、年のいかない人々には音楽を楽しんだり技術を身につけるための道のりというよりも、罰ゲームのように感じられることでしょう。天は楽器を奏でる楽しみを禁じたもうのでしょうか。
日々の修行の効果がようやく目に見えてくるのは、私たちが成長して、スケールやアルペジオ、エチュードも音楽なのだということ、その練習を通してフルートの音色や性格を作り上げるのだということを、少しずつ理解しはじめる頃です。そしてその頃でさえ、スケールやアルペジオとエチュードとの繋がりは、あまり明確ではないかもしれません。
この本の目的はそのギャップに橋を架けることです。旋律や和声を感じさせる魅力的なエチュード風の音形に、スケールやアルペジオの特徴を取り入れて、反復進行するシークエンス形式で書いたこの本は(呼吸とフレージング、フィンガリング、タンギング、インターバルの4分野を網羅して)、難しい技術を習得するために取り組みやすい一口サイズの練習材料を提供します。